美しき月夜の為に・・・・
ある秋の晴れた朝、僕たちは居間に集められた。
「どうしたの?」
僕はお母さんに訪ねる。
「あら、今日が何の日か忘れたの?」
と母さん。
「・・・・」
僕は考える。
誰かの誕生日でもないし、祭日でもないし・・・・
「僕知ってるよ。今日は十五夜でしょ」
と僕の横に座っていた弟が言った。
「おっ、よく覚えてたな」
父さんが弟を褒める。
それを見た僕は少しムッとした。
「そう、今日は十五夜よ。だから・・・・」
そう言って母さんが席を立った。
それに続いて父さんも席を立ち、外へ出て行く。
僕と弟は顔と見合あわせた。
思い出したのだ。
これから僕たちが何をしなければいけないのかを・・・・
僕たちは仕方なく・・・・いや、むしろいやいやついて行く。
そして・・・・僕たちは外にでた。
外には普段あまり見慣れないものが置いてある。
「やっぱり・・・・今年もやるの?」
僕が恐る恐る訪ねる。
「当たり前でしょ。十五夜と言えば満月、満月と言えばウサギ、ウサギといえば・・・・」
そこまで言って母さんは間を空ける。
『ため』と言うやつだ。
そんなにもったいぶらなくてもいいのに・・・・
「餅つきよ」
母さんは自信満々に答えた。
みんなは聞いたことがあるだろうか。
ウサギが月で餅つきをしていると言うことを・・・・。
だから・・・・これから僕たちは『餅つき』をするのである。
みんなの夢を壊さないように・・・・って信じている人いるのかな〜。
「さぁ、何してるの。始めるわよ」
こうして毎年恒例の『十五夜餅つき大会』が幕をあけた。
『ぺったん、ぺったん』とあたりにお餅をつく音が響く。
それからしばらくして・・・・お餅がつきあがった。
「さぁ、しっかり丸めるわよ」
母さんがはりきってお餅を丸め始める。
仕方なく僕たちもお餅を丸めることにした。
「あつ!!」
僕はお餅のあまりの熱さに驚き、お餅を落としてしまった。
しかも・・・・体の上に・・・・
「あついあつい!!!!」
僕はその場で飛び回る。
「熱いってばもう・・・・とってよ」
僕が叫ぶと弟がやってきた。
「もう、お兄ちゃん何やってるんだよ・・・・」
そう言って僕についたお餅を手にとった。
「わっ、あつい」
弟は慌ててお餅から手をはなす・・・・がはなれなかった。
なぜなら・・・・お餅が伸びたのだ。
びよーーーん・・・・と。
「何やってんだよ」
「だって・・・・」
弟は一生懸命手についたお餅を取ろうとするがふわふわもこもこの毛にくっついてなかなか取れない。
そして・・・・僕と弟はお餅でベタベタになってしまった。
もう・・・僕のふわふわもこもこな毛べとべとだよ・・・・。
はぁ〜。
「二人とも、もういいからお風呂入ってきなさい・・・・」
母さんはお餅でぐるぐる巻きになった僕たちを見て呟いた。
はぁ〜、散々な目にあったよ。
僕と弟がお風呂から上がったのはあれから一時間ぐらいしてからだった。
だって、お餅ってなかなか取れないんだもん。
「やっと、来たか」
お風呂から上がってさっぱりすっきりの僕たちに向かってお父さんが言った。
「さぁ、また仕事を再開するわよ。今日はお月見だから、月見団子を作らなきゃ。さぁ、役割分担決めるわよ」
そして・・・・話し合いの結果、父さんと弟がススキを取りに行く係りで母さんが飾り付けの道具などを用意する係りで僕が団子を作る係りになった。
さて、突然ですがここでウサギ君のお料理教室〜。
今日は月見団子を作ってみたいと思います。
作り方は以下のとおりです。
ウサギ君の美味しいお団子の作り方 |
用意するもの もち米の粉(団子用の粉ならオッケー) 250g 水 |
作り方 |
ボールに入れたもち米の粉に水を入れる。その時たっぷり入れるのではなく粉が残ってるくらいがちょうど良い。 次にそれを練っていく。練っていくと粉っぽさがなくなり、ちょうど良くなる。 耳たぶぐらいの硬さになったら生地を四つに分ける。 四つに分けた生地を棒状に長く伸ばしていく。 程よい大きさと長さになったら2pぐらいに切って丸くする。 生地を丸くし終えたら沸騰したお湯に団子を入れる。 入れた団子が浮いてきたら取り出す。 これで美味しい団子が出来ます。皆さんもやってみて下さい。 |
ウサギより |
えっと、まずもち米の粉に水を入れて・・・・おっと入れすぎないようにしなきゃ。
で練ってるとちょうど良くなるんだよね
コネコネコネ・・・・耳たぶの硬さって・・・・どのくらいだろ?
だいたい僕の耳たぶって・・・・う〜ん・・・・まぁこのくらいでいいや。
次に4つに切って・・・・ブチブチ・・・・棒状に伸ばす・・・・っと。
あんまり細くしすぎたらいけないんだよね。
えっと、伸ばしたら2pぐらいにちぎって丸める・・・・っと。
さっきはお餅ちで失敗したから今度は気をつけないと。
よし、あとは沸騰したお湯に入れて・・・・
待つこと1、2分
あっ、浮いてきた浮いてきた。
これをすくって・・・・できた。
うん、じょうできじょうでき。
後は盛り付けて月が出るのを待つだけだな。
その日の夜。
「綺麗な月だね」
「ほんとに綺麗だね」
僕たちはみんなで並んでお月見を始めた。
真っ暗な空に大きな丸い月が美しい光を放つ。
星たちも光を放つのだが月には到底及ばない。
周りでは鈴虫がリーン、リーンと澄んだ美しい音が響き渡る。
時折吹く夜風が飾ってあるススキをそっと揺らす。
僕たちはしばらく無言で美しい月夜を楽しんだ。
「さぁ、せっかくだからお団子食べましょうか」
母さんが僕たちに団子を渡す。
それを受けとり、僕は月を見ながら食べた。
なんだか今日はいろいろ大変だったけど美しい月を見ると一日の疲れも何処かへいってしまう。
そんな感じがした。
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