そんな日もあるさ

「今日は大変だったな・・・・」
僕は机に向かい、日記帳を広げながら呟く。
「楽しみにしてたのに・・・・それにがんばったんだけどな」
は〜と深いため息をつく。
「運が悪いというか何と言うか・・・・。今日の運勢最悪だったのかな」
一人でぶつぶつ呟く。
は〜と再び深いため息をつくと僕は今日のことを思い出していた。


今日は年に一度の運動会。

僕たちは5つの組、赤・白・黄色・青・緑色に分かれて競い合う。
僕は青組で、弟は赤組だ。

開会からしばらく経っていよいよ僕の最初の種目の番がきた。
「次は障害物競走です」
アナウンスと共に、運動会には欠かせない曲が鳴り、僕たち選手は入場した。
そして、最初のランナー達がスタート位置に立った。

「位置について・・・・よーい」
スタート係りが耳を押さえピストルを上へと向けた。
そして・・・・
‘パーン’と言う大きな音がして競技は始まった。

この障害物競走はまず始めに緑のネットをくぐる。

それが終わると次は平均台。
これを渡り終えるとタイヤくぐりがあって、その次に置いてある袋に体を入れて飛び跳ねながら赤いコーンが置いてあるところまで進み、そこで袋を脱ぎ捨ててその先にある粉の入った箱の中にある飴をくわえてゴールまで走る・・・・と言うものだ。
トラック一周
200m
なかなか大変だ。

「次の人」
スタート係の人が言うと僕たちの前の走者が立ち上がりスタートした。

「次の人」
いよいよ僕たちの番がきた。
僕は青い鉢巻が緩んでないことを確認するとスタートラインに立った。

「位置について」
僕は構える。
「よーい」
スタート係りの人の手が上がり・・・・
‘パーン’という音と共に僕たちは一斉に走り出した。

まず、最初の障害物は緑のネット。

これは結構大変で、隣にいるたぬきとかきつねに比べ僕の場合は耳が邪魔になる。
ネットに耳が引っかかったら大変なので気をつけて進む。
途中多少危なかったが難無くクリア。
次に進むと平均台があるがこれは全く問題なし。
続いてはタイヤくぐりだが、ぽっちゃり系のたぬきと違いスリムな僕にはノープログレム。
そして、僕はトップでこの障害物競走最大の難関――――ふくろ飛び――――へと辿り着いた。
僕の後ろではきつねとたぬきがタイヤをくぐり終えた所だった。
僕は急いで袋を掴むとその中に入った。

‘ピョン、ピョン’

袋を手でしっかり持って飛び跳ねる。
一生懸命跳ねる。
しかし・・・・、あせっていた為か、着地の時袋の上のほうを踏んでしまい勢いよく地面へと僕の頭と体は向かった。
‘ドン’
という大きな音と共に僕は地面に倒れこんだ。
‘・・・・’
僕は恥ずかしさと痛さで起き上がりたくはなかったが、このままではもっと恥ずかしいので急いで立ち上がろうとした。
そして、僕が何とか体制を立て直し立ち上がろうとした時だった。
突然僕は後ろから強烈な衝撃を受けて再び地面に倒れこんだ。
後ろのそれらと共に・・・・。

「ああ・・・・なんという事だ!
追いついてきた緑組と黄色組がこけてしまった青組をよけることが出来ず突っ込んでしまった!
3人は大丈夫なのでしょうか!!!!」
(・・・・大丈夫なわけないよ)
僕は2人の下敷きになりながら妙に大きく聞こえた実況に向かって呟いた。

幸いたいした怪我もなく、僕は再び立ち上がり、ゴールを目指した。
まぁ、僕のふわふわのもこもこの毛がぐちゃぐちゃになったけど。
その後僕は再び一生懸命飛んで赤いコーンの所までいき、その先にある粉の入った箱の中に顔を突っ込み、口の周りを粉だらけにしながらも何とか飴を探し出しゴールまで走った。
結果は・・・・3位だったけど。


だけど、僕の災難はこれで終わりじゃなかった。

パンくい競走に出ればパンを取るために張り切ってジャンプしたら飛びすぎてパンを釣り下げているバーに激突。
パンはバーごと地面に落ちて競技は一時中断。
玉入れに出れば誰かの玉が何度も顔にあたるし、(あれって故意?)騎馬戦に出れば相手にひっかかれるし・・・・(ちなみに戦いの結果は僕の勝ちだったけど)
まぁ、最後の種目である各組全員によるリレーでは何もなかったけど。

何か振り返ってみても散々な一日だっよ・・・・。
救いはチームが優勝したってことかな。


‘はあ〜〜’
僕は再び大きなため息をつく。
「もう寝よ」
僕は日記帳を閉じるとベッドにもぐりこみ部屋の電気を消した。

END

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